鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科 Faculty of Engineering, Tottori University / Graduate School of Engineering, Tottori University

2010年 卒業生

富士通株式会社
金融システム事業本部

MASARU KAWAMOTO

河元 勝

鳥取県生まれ。

鳥取県立鳥取東高等学校卒。

鳥取大学工学部知能情報工学科から、2010年同大大学院工学研究科知能情報工学専攻博士前期課程修了。高校生のときに興味本位でPCをつついて遊び、その面白さから電機機器とその機能を構成する情報処理システムに関心を寄せたのが、今の仕事につながっている。

社会へ提供するICT技術の先端に携わることに責任感を感じる。

社会の隅々に浸透し活用されているICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)は、歩みを止めることなく常に進化し続けている。河元さんは電機・通信など総合エレクトロニクスの大手企業に勤務し、ICTサービスを提供する側の一人として、その最前線で活躍している。

「いまはSE(システム・エンジニア)として仕事に携わっています。SEというと、なにか技術系の人が多いように思われがちなんですが、実はそうじゃなくて同僚や先輩たちには文系出身の人もいれば医学系の人がいたり。私も最初は意外に思いました」。ただ、本人は情報工学出身のれっきとした技術系。それにしても実社会のニーズに応えていくためには、多分野に精通したそれぞれの能力の統合が問われているんだなと思わされた社会人としての船出だった。

入社後、みっちり社員研修を受けたのちに配属されたのは金融システム部門だった。そこで早速、保険会社の新しいITシステムの構築にかかわることに。「一つのプロジェクトのもと、IT技術を具体的にエンジニアリングしていくのですが、早くからそうした"ものづくり"の現場に立ち合えたことがすごくうれしかったです」と河元さんは振り返る。

その後、河元さんはネットで個人の保険契約を結ぶことができる新システムをチームで世に送り出し、現在も実際に運用されている。自分が手がけたシステムが実社会で役立てられることの喜びを初めて実感する一方で、その責任感も高まる。

「ITシステムは便利かもしれないけれど、その品質を保つのは難しいこと」と思っている。プログラミングを立ち上げることができても、システムがバグ(不作動、誤作動など)を起こすと大変なことになる。銀行のATM(現金自動預け払い機)が使用できなくなったとすると、それは多くの人の生活に大きな影響が及んでしまう。河元さんは「基本的なシステムのプログラミングができても、その実用までのテストには多くの時間を使います。信頼性については、とても気をつかいます」という。

学部3年のとき、このまま学部卒で就職するにはIT分野に通用しないのではないかと自分の力不足を感じて大学院へ進学。研究科ではコンピューターが自体で学習する人工知能を応用して株(証券)の値動きを予測するシステムなどの研究に取り組んだ。就職後、最初に配属されたのが金融システム部門だったのも不思議じゃない。  PCからタブレット端末やスマートフォンまで、ネット情報のやり取りは、ますます進展するだろう。そうなればなるほど「人の知力」も問われてくると思っている。

後輩へは「"知能"を付して学べる工学系の学科や研究科は全国的にも限られていると思う。大学生活で与えられる自由な時間を使って、多くの先生方から専門性を学んでほしいです」。

[取材:2014年2月]