鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科 Faculty of Engineering, Tottori University / Graduate School of Engineering, Tottori University

体験記 - 梶 貴美

工学研究科(博士前期)機械宇宙工学専攻 応用数理工学コース1年

氏名
梶 貴美
配属先研究室
Ajayan Research Group
研究テーマ
Effect of reinforcement of junction CNT in polymer composite
留学期間
平成27年8月11日~10月9日

短期研究インターンシッププログラムの一環として、ライス大学(ヒューストン)においてDepartment of Material Science & NanoEngineeringのAjayan研究グループに所属しました。グループ内では一研究者としてプロジェクトに携わり、実験・測定等を行いました。

なお、私の場合は日本での研究内容が主にシミュレーション分野であったため、本プログラムでは実験分野での研究を理解・実践することに重点を置いていました。研究内容は、カーボンナノチューブの生成(water assisted CVD法)、生成したマルチウォールカーボンナノチューブの粉末と別途用意したジャンクションカーボンナノチューブ(真っ直ぐな円筒型ではなくT字やX字などに枝分かれしたカーボンナノチューブ)の粉末を用いてのフィルム作成でした。これらフィルムを用いてサンプルを作成し様々な力学的テストや顕微鏡観察を行い、濃度・カーボンナノチューブの種類等によって物性がどのように異なるかを調べる、というものでした。

私自身は量子力学分野のシミュレーション、数値計算を主に扱っていたため知識ゼロの状態から実験に参加することとなりました。特に、私が伺った研究グループでは基本的に一人一プロジェクトを与えられて取り組む形だったので、何も知らない状態から一つのプロジェクトを与えられて研究を進めました。今まで見たこともない装置や、実験演習の講義以来触っていない実験道具の使い方を最初から学びつつ、足りない部分やどうしても一人でできない部分を研究グループの皆さんに手伝っていただきながら実験を行いました。今回の体験より、実験分野の大変さや難しさ、特にトライ&エラーの大切さと実験記録を残す重要性を痛感しました。また、実際に実験分野の最先端で作業をさせてもらったことにより、今まで知らなかった各装置の特性や用途、そこから出力される結果の解析についても学ぶことが出来ました。

なお、私は過去に何度か海外に行ったことがあったのですが、どれも1週間程度の短期滞在だったので今回が初めての長期滞在でした。はじめは英語がずっと聞こえる環境が新鮮な一方で頭の処理が追いつかず疲れることもありましたが、慣れてくるとルームメイトや同じofficeの方とお話しするのがとても楽しく、また世界各国から人々が集まっていることもあり様々な訛りを聞くことでリスニング力が大変鍛えられたと思います。日本と文化の異なる部分がたくさんあり、特に室内と屋外の気温差には驚かされました。それに関連して、エアコンや電気をほぼ点けたままというのは日本とは全く異なっており、はじめはとても不思議に感じていました。

また、多種多様な人種が集まっていることもあり、町中にたくさんのレストランやカフェが存在していたので、アメリカにいながら世界各国の料理が食べられました。そのどれもがとてもおいしく、またこの経験からもっといろいろな国へ行ってみたいと思うようになりました。

私はこのプログラムに参加し、進路の選択肢の1つとして、海外でのPhD課程取得も視野に入れるようになりました。理由として、海外大学では教授や外部団体などから様々な支援が受けられることと、勉学に集中できる環境が整っていたことが挙げられます。また、海外で働きたいという気持ちがさらに強くなったように感じます。

今回の留学を経て、人種・国籍による考え方や行動の違いを再確認すると共に、英語によってほとんどの人と意思疎通・意見交換ができる喜びを感じました。また、私の場合は特に自身の研究分野と異なるところ(実験分野)でのインターンシップだったのでまったく知識のない状態からのスタートでした。しかし、周りの方の助けもあり、最終的には実験結果について論じることができるまでに成長できました。たった2か月の短い滞在でしたが、多くのことを学び、異なった文化や考えにふれたことで自身の将来について深く考える良い機会になったと思います。

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