鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科 Faculty of Engineering, Tottori University / Graduate School of Engineering, Tottori University

電子ディスプレイ研究センター

地域社会に拓かれた“知と実践の融合”を目指して。

鳥取大学工学部附属電子ディスプレイセンター(TEDREC:Tottori University Electronic Display Research Center)は2008年4月に設置され、鳥取県と民間企業と鳥取大学の協定に基づき民間企業の寄付によって運営されています。関連施設は、工学部及び地域学部プロジェクト室とセコム山陰ITラボであり、大学院工学研究科の学生を中心に研究が行われています。

本研究センターは、

  • ①液晶を含む電子ディスプレイ分野の研究拠点を形成すること、
  • ②次世代技術者としての高度職業人(工学博士)を育成すること、
  • ③電子デバイス・情報通信等の産業創造及び基礎研究の実用化による社会貢献をすること、を目的としています。

現在、液晶材料の基礎物性、液晶パネルのデバイス、磁気・メモリ、医療電子情報(図1)、情報通信開発、産業創生や経営等に関する分野の研究を行っています。これまでに、特許や研究論文等の多くの研究業績を創出し、10数名の博士後期課程の学生を養成しています。

主な研究成果として、「発光型液晶ディスプレイ(emissive-LCD:e-LCD)」を開発しました。e-LCDは、主にバックライト、液晶ユニット、蛍光体層により構成されています。従来型LCDパネルと違い、カラーフィルタを使用していないため、消費電力は約3分の1に抑えられます。また正面に対し斜め70°から撮影したe-LCDパネルの画像は、正面画像と同じ色が保たれており、さらに画面の明るさも保たれています(図2)。このようにe-LCDでは、高画質と低消費電力の両立が可能となります。

その他に、透明フレキシブルメモリデバイスも開発しています(図3)。これは、プラスチックシート上に酸化亜鉛を主成分とする抵抗型メモリ(Resistive Random Access Memory:Re-RAM)を低温プロセスで作製したもので、本学が世界に先駆けて実現しました。現在は、ReRAMの超高集積・超高速化や、更に学習機能を具えた脳型メモリ(図4)を目指した研究を進めています。

今後、本研究センターでは、工学分野に留まらず、医学や農学などの分野との融合を推し進めます。その一つとして、医学分野では21世紀の医療診断や手術に欠くことの出来ない生体イメージングの研究を計画しています。例えば、電子ディスプレイ用として開発したナノ粒子蛍光体(図5)とドラッグ・デリバリー・システム技術を組み合わせが考えられます。人体内部(血管)に赤外光を発するナノ微粒子蛍光体カプセルを注入し、目的患部に輸送し患部からの発光を観測することで癌細胞などの位置を正確に把握することが期待されます。また農業分野においても、最近注目されている植物工場用の植物育成に適した光源パネルの開発を、農学部の研究機関や県内のLED製造企業と連携して進めています。

以上のように、電子ディスプレイ研究センターは、知と実践の融合を目指した地域社会に拓かれた研究拠点として、今後も積極的に研究・教育・産業創成の活動を進めて参ります。

医療画像診断ソフトの開発
図1:医療画像診断ソフトの開発
発光型液晶ディスプレイ(e-LCD)
図2:発光型液晶ディスプレイ(e-LCD)
透明フレキシブルメモリ
図3:透明フレキシブルメモリ
抵抗変化メモリを用いた人口シナプスの作製
図4:抵抗変化メモリを用いた人口シナプスの作製
ナノ粒子蛍光体
図5:ナノ粒子蛍光体