鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科 Faculty of Engineering, Tottori University / Graduate School of Engineering, Tottori University

情報エレクトロニクス専攻 教授 北村章

電気情報系学科
情報エレクトロニクス専攻 教授

AKIRA KITAMURA

北村 章

1952年、兵庫県生まれ。

工学博士。大阪大学大学院基礎工学研究科前期課程修了。のち神戸製鋼所勤務(1978年~2002年)を経て鳥取大学に赴任。

専門分野は制御工学、システム最適化、知的情報処理。生産にかかわる理論・データ・ノウハウを融合させた制御システムや生産システムの構築を目指している。

知的ものづくりのコンセプトを具現化し、日本の新しいものづくりのパラダイムに発展させる。

ダイナミックな生産技術開発の経験を、研究や教育に生かしたい。

「ものづくり」のプロセスでは、生産に関わる知識が網の目のよう繋がり、相互に影響を与えている。その知識を詳細に分析して、システム思考による新たな知的ものづくりのパラダイムを研究しているのが北村章教授だ。

教授は20年あまり、大手鉄鋼メーカーの研究部門に勤務してきた。その間、生産現場の様態は変化し、進歩と同時に新たな課題も増えている。そこで「市場のニーズと技術シーズを巧みな整合によるダイナミックな生産活動を見てきた経験から、次世代にどんな研究や教育が必要なのかを常に意識しています」と教授は言う。

教授が見てきた例として、自動車に使われる薄板材の製造を考えてみよう。自動車会社では、軽量化に向けて、薄くて硬く、粘り強い素材が望まれている。新製品には、さまざまな要求仕様が付与されている。代表的なものは「寸法」、「形状」、「強度」であり、これらを同時に満たすことが求められている。要求精度は日々高度化し、生産部門も常に革新が求められている。システム制御工学を専門とする教授は、大学においてもその経験を活かし、最新の制御理論による生産システムを構築している。学生には、企業との共同研究に参画させて「基礎学力を身につけると同時に、若いうちに社会の実学を体得してほしい」と期待している。

そして研究の出口を、日本のものづくりの再生と活性化に向ける。

さて、教授は、ものづくりに関わる3つ知識として①「生産現場情報」(数値や画像情報)、②「理論や数式(普遍的知識)」、③「人間のもつノウハウ(経験知)」に分けて考えている。 ①は現場で日々蓄積される大量の定量データ。 ②は生産に関わる基盤であり、絶対に守るべき真理。そして③の経験知は、突発的な不具合対策など、必ずしも理論では説明できない定性的知識。教授は「日本には、これら3つの知識を有機的に結合させる新しい知的ものづくりが必要」としている。教授は、生産プロセスのアドバンスト制御、最適スケジューリングとともにセマンティックWebによって生産知識のマイニング(掘り起こし)や体系化を図り、クラウド上でこれらの知識を活用する「知的製造プラットフォーム(SKIP)」を構築している。SKIPを核としたパラダイムによって「個々の企業には、新製品の早期量産化を支援し、さらには、企業群の生産知識と大学の保有する工学知識のアライアンスによる新たな活動にしたい」と話す。

音楽が趣味。学生時代からジャズに興味を持ち、自からもピアノを演奏する。「モダンジャズには複雑な理論があって、それと経験的なフレーズ(ノウハウ)と組み合わせることで新しい演奏を創造している」と、自身の研究と重なるものを感じている。

※平成25年度鳥取大学案内に『スーパーティーチャー』として掲載