現役社長が工学研究科最高齢で博士の学位を取得
9月25日、工学研究科において学位記授与式が挙行された。
修了者の一人である入江善博さんは、株式会社入江産業の社長として活動する傍ら、工学研究科情報エレクトロニクス専攻の岸田悟教授の指導のもと研究に励み、このたび工学研究科始まって以来最高齢となる73歳で博士(工学)の学位を取得した。
入学のきっかけは、工学部主催のセミナーで、会社で製造している製品について岸田教授に相談したことであった。
その後2年間セミナーに通い続けるうちに、同教授から大学での研究を勧められ、平成25年4月には68歳で工学研究科博士後期課程に入学。
1時間かけて兵庫県の自宅から通学すること4年半、ついに迎えた晴れの舞台で「鳥取大学で研究した成果を活かしたものを作っていきたい。今後も何か新しいことを始めていきたい」と熱く語った。
修了に際して「妻が気を遣ってくれたのがありがたかった」など家族や岸田教授への感謝を述べるとともに「自分はまだ50代のつもりです。若い人はまだまだ負けないし、10年20年後も現役のつもりです」と今後の意気込みを語った。
若い学生に向けて「とにかくトップを目指して勉強して欲しい。自分の目標を持って勉学に励めば、より充実した大学生活になるはず」とメッセージを贈った。
また、トップを目指すために入江さんが心がけていることは「常に新しいものや世の中の情報をできるだけ多く取り込むこと」である。私たちも入江さんの姿勢から多くのことを学んでいきたい。
○プロフィール
入江 善博 いりえ よしひろ
昭和19年兵庫県生まれ(73歳) 株式会社入江産業 代表取締役
昭和60年 株式会社入江産業 設立
平成25年4月 情報エレクトロニクス専攻入学
平成29年9月 情報エレクトロニクス専攻修了
論文テーマは「XPS法によるAlとCu金属及び酸化物の表面・界面に関する基礎研究」