工学研究科博士後期課程
ページ内コンテンツ
1.工学研究科の理念、目的、目標
近年の技術革新や産業・社会・経済構造の急激な変化に伴う社会からの要請は、スマート社会を実現するための技術の開発と実装、人口減少や少子高齢化などの地域課題の解決や価値の創出、新たなビジネスやプロジェクトの展開など、多岐に渡っています。これらに応えていくために、「人としての理想を求める工学の追及とそのプロセス、成果に基づく技術者・研究者の育成」を工学研究科の理念とします。このもとで、「工学分野の高度な専門分野の研究能力と異分野にまたがる豊かな知識を有し、自立して研究活動を行う能力、社会に働きかけていく能力、創造力を有する技術者・研究者を養成すること」を目的とします。以上の目的を踏まえ、以下の教育目標を実践します。
- 工学分野の高度な知識に加えて、学際的・融合的な活動、持続的な社会の創造、科学・技術の進展に貢献できる積極性、創造性豊かな技術者・研究者の養成
- 従来の専門分野にとらわれず、総合的かつ学際的立場から、高度な専門分野の研究能力と基礎学力を有し、他者と協働しつつ自立した研究活動を行う能力の養成
- 最前線の研究や現場に触れつつ、学術の探求のみならず課題の発見や解決、新たな価値を創造する能力を涵養するとともに、これらを活用して社会に貢献する活動を先導できる能力の養成
2.対象とする領域
情報社会システム、資源・エネルギー、先端科学技術という3つの専門領域を核とした人材育成を行います。
情報社会システム
情報工学と社会システム工学による文理融合的な領域であり、機械学習、数理工学の技術開発を担いつつ、社会的イノベーションによる新たな社会のシステム、サービスを創造するとともに、それらのマネジメントを工学的な観点から企画・実践するための領域です。
資源・エネルギー
化学と生命科学に基礎をおいて物質・材料創製、未利用資源活用、次世代の医療関連技術およびエネルギー変換・貯蔵技術の開発による資源・エネルギーのイノベーションを目指し、基礎から事業化にわたる学際的な活動を通じて低炭素社会、循環型社会、健康寿命、持続的エネルギーに資する領域です。
先端科学技術
工学における先端的な科学技術を象徴した領域であり、その要素を構成する機械、材料、ロボット、電気、電子、航空、医療機器などのハードウェアに関する技術開発を学際的に展開するとともに、技術的イノベーションを創造し、新たな製品やシステムの開発を担う領域です。
資源やエネルギーは生命や組織の存続にとっての前提条件であり、その上に、ものをはじめとするハードウェアが現代的な生活様式の基盤を形成しています。この基盤の上に、無形の財やサービスがシステムを通じて供給されることで、豊かで安心できる暮らしが成立します。これらの3つの領域はどの社会にとっても基幹的であり、これらの領域のイノベーションを主導できる人材の育成を通じて、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
3.担当教員の研究テーマ
4.アドミッション/カリキュラム/ディプロマ・ポリシー
1)アドミッション・ポリシー
鳥取大学大学院工学研究科(博士後期課程)では、次のような人を広く受け入れます。
- 工学分野において自ら課題を発見し解決するために必要となる学士課程及び博士前期課程相当の基礎的な知識、技術を備えている人
- 専門的及び学際的立場から工学分野の高度で先進的な研究を行い、俯瞰的な広い視野と豊かな学識を有し、学術的な探求を通じて課題の解決や価値の創造に向けて、自立した研究活動を行う能力を身につけたい人
- 社会の要請に対応できる創造力を有し、高度な課題の発見・解決力、専門的なコミュニケーション能力を有する技術者・研究者を目指す人
- 社会的責任感に基づく高い倫理観を身につけ、高度な専門性を必要とする職業を担おうとする人
これらの人を受け入れるため、一般入試、社会人特別入試、外国人留学生特別入試など、多角的、総合的な評価による入試の機会を設けます。
2)カリキュラム・ポリシー
鳥取大学大学院工学研究科(博士後期課程)では、本研究科(博士後期課程)の「学位授与の方針」に示す知識、技術、能力を学生が身に付けられるよう、次に掲げる方針の下、教育課程を編成し実施します。
- 工学分野の高度な知識、技術を修得させるとともに、データサイエンスならびに分野横断的な知識も修得できるように授業科目を配置します。
- 専門性の高い複数の教員の研究指導により、専門的かつ高度な課題発見・解決力及びコミュニケーション力を備え、自立して独創的な研究を遂行できる能力の修得を目指します。
- 協働によって事を進め、新たな価値を見出す能力を高めるための対話型・参加型の授業、社会実装や事業化を展開するための授業を取り入れます。
- 国際的な情報収集能力や、課題を発見・解決する能力、科学的に説明する能力を向上させ、創造的な研究活動を行う能力を修得できるように、特別研究等の科目を配置します。
- 研究科の定める成績評価基準に基づき、試験、レポート等により厳格な評価を行い、研究科の定める学位論文評価基準に基づく博士論文の審査及び試験を実施します。
- 学生の学修成果等をもとに、教育課程を検証します。
3)ディプロマ・ポリシー
鳥取大学大学院工学研究科(博士後期課程)では、人類の福祉と社会の発展に貢献するため、工学分野の高度な専門分野の研究能力と異分野にまたがる豊かな知識を有し、自立して研究活動を行う能力、社会に働きかけていく能力、創造力を有する技術者・研究者を養成することを目的としています。この目的に沿った教育課程を修め所定の単位を修得するか、または同等以上の能力を有し、博士論文の審査および試験に合格し、次の項目を満たした学生に対して、博士(工学)を授与します。
- 学位論文が新規性、独創性、学術的な波及効果または社会貢献性を有している。
- 高度な専門性を必要とする職業を担うための知識や技術、それらを踏まえた客観的な観点から説明する能力、自立した研究活動を行う能力を身に付けている。
- 科学技術と社会に対する高い倫理観、データサイエンスならびに専門分野に関連する幅広い教養を持ち、他者との協働を通じて課題の解決ならびに新たな価値の創造に先導的な役割を担うことができる。
5.工学エキスパート養成プログラム(学修証明プログラム)
鳥取大学大学院工学研究科博士後期課程 工学エキスパート養成プログラム