鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科/工学専攻 Faculty and Graduate School / Department of Engineering Tottori University

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【受賞】化学バイオ系学科の菅沼准教授(片田研究室)が石油学会奨励賞(学術部門)を受賞

工学部化学バイオ系学科の菅沼学史准教授が行った研究について,その成果が認められ公益財団法人石油学会から奨励賞(学術部門)が授与されました.

 

研究題目

実油中の多環芳香族類選択的転換のための固体酸触媒および関連技術の開発

 

本研究は実油中の多環芳香族類の利用に資するプロセスの創出に取り組んだものです.実油の大部分は多環芳香族類と脂肪族類の炭化水素です.その中の多環芳香族類の中のアルキル多環芳香族を長鎖のままのアルカンと側鎖のない多環芳香族に脱アルキル化できれば,アルカンは灯軽油・FCC原料として,多環芳香族はさらに部分水素化・開環することで単環芳香族へと変換し化成品に利用可能です.菅沼准教授はアルキル多環芳香族の脱アルキル化および多環芳香族から単環芳香族への転換に関連する実用化の課題を洗い出し,それぞれ解決しました.脱アルキル化触媒を被毒する実油中の塩基性含窒素化合物の除去法を構築し,実油中の脱アルキル化におけるアルキル基や芳香族類の分解を避ける条件を見出し,アルキル多環芳香族を選択的に転換する技術を開発しました.また,後工程の多環芳香族の水素化・開環に対する選択的転換触媒も探索し,必要な物性を明らかにしました.これらの手法は重質油変換における製品比率の柔軟な調整を可能とし,化成品原料の割合を増やすなど石油資源の有効利用率向上に貢献します.(https://www.sekiyu-gakkai.or.jp/jp/aword/2021/2021.html

表彰式は2022年5月30日に石油学会 第64回年会(タワーホール船堀)において執り行われ,同学会の松下敬会長(出光興産株式会社 取締役副社長執行役員)より賞記盾が授与されました.