鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科/工学専攻 Faculty and Graduate School / Department of Engineering Tottori University

電気情報系学科 准教授 櫛田大輔

櫛田 大輔

電気情報系学科 准教授

KUSHIDA DAISUKE

櫛田 大輔

1974年、鳥取県生まれ。博士(工学)。

米子工業高等専門学校、佐賀大学理工学部電気工学科卒業後、同大学大学院工学系研究科博士前期課程、同後期課程修了。同大学研究員などを経て、2003年に鳥取大学へ。コンピュータやロボットなど “無機質なもの” を触り続けて乾いた心を、休日の読書や散歩で癒やしている。

高校時代にはパーツを取り寄せて電子工作を楽しみ、現在は果樹栽培やDIYを趣味とする。

制御なくして機械なし。
ロボットに人間の動きや気持ちを理解させる。

見えない情報に真実を探る。

やがてロボットと人が協力して生活を行う時代がやってくると予想される。そのロボットを動かすための仕組みをデザインするのが制御工学だ。現在の技術では、例えばロボットと人が一緒にものを運ぶ時、人がロボットに合わせて力や動作を調整しないとうまく運べない。人と人の“あうんの呼吸”のようなタイミングの合わせ方を、どうやってロボットに備えるのか。櫛田大輔 准教授は、人体から発せられる生体信号など目に見えない情報を可視化することでロボットに人間の動きや気持ちを理解させる“定量化”の研究に取り組んでいる。

人の感覚を定量化することで、例えば医療現場のリハビリテーションの進行状況をコンピュータが自動で管理したり、人間が直感的に判断を下す時のように過去のデータから最良の判断ができる機能を備えたロボットが手術したり。初めて海外に行った時の感動や、失恋の心の痛みも「制御工学的にちゃんと説明できる」とのこと。心情的なことに左右されるあいまいな感覚を捉えて、人の生活に役立てようと日々奮闘する。

「できたら面白い」と思うことが大事。

あらゆる分野で定量化技術の応用を目指し、鳥取大学医学部や県内外の複数の企業と連携した研究も進める。学生たちが他学部や企業との打ち合わせで、自ら作った資料を基にプレゼンテーションすることもあるといい、「私も大学時代に、医学部や企業の皆さんと共同研究することで貴重な社会勉強ができた。自分が教員になった今は、その時の恩を学生たちに返すような意識で共同研究に臨んでいます」。病院などで患者がベッド上でとる姿勢から転倒する可能性を予想する見守りシステムや、スポーツ選手の体力限界や怪我を予見・予防しながらギリギリまでトレーニングで追い込むためのシステムなど、既に商品化に向けて動いているものもある。

これまでの人生を「いろいろな人の影響を受けて今の環境に至った」と振り返り、「ちょっとしたことで人生は大きく変わる。他者の言葉に耳を傾けて、素直に受け入れられる純粋さを持ってほしい。無理だろうとあきらめるのではなく、できたら面白いと思うことが、特に工学の分野では大事」と少年のような瞳で語った。

※令和2年度鳥取大学案内に『スーパーティーチャー』として掲載