鳥取大学工学部 鳥取大学大学院工学研究科/工学専攻 Faculty and Graduate School / Department of Engineering Tottori University

化学バイオ系学科 准教授 鈴木 宏和

鈴木 宏和

化学バイオ系学科 准教授

SUZUKI HIROKAZU

鈴木 宏和

1975年東京都生まれ。

東京都立八王子東高等学校卒業。東北大学工学部生物化学工学科卒業。同大学大学院工学研究科生物工学専攻博士課程修了。東京大学大学院農学生命科学研究科博士研究員、理化学研究所基礎科学特別研究員等を経て、2014年鳥取大学大学院工学研究科化学・生物応用工学専攻准教授に就任。

2018年より現職。趣味は温泉巡り、ジョギング。

面白いと思うところを追求する
研究に必要なのは独創的なアイデアです

好熱菌がもつ適応能力に着目

「好熱菌」とは、熱い環境に棲んでいる微生物をいう。鈴木准教授が研究しているのは、好熱菌の中でもジオバチラスといわれるグループ。毒性はなく、どこにでもいることが特徴。空中、土の中、雨水の中、食品に混ざっていたり、缶詰の中に生き残っていたりする。しかも好熱菌の定義から考えると、いるはずもない涼しい環境にも普通にいて、とにかく謎めいている存在なのだという。

鈴木准教授が着目したのは、ジオバチラスの変幻自在な適応能力。生物はその場所に、自分自身を変えて生き残る能力をある程度持っているが、ジオバチラスは、その能力が極めて高いのではないか、という仮定。自分を変えるという能力の原動力になっているものは何なのか。そのキーとなるものがわかれば、将来的には自在に生物を変えられる画期的な技術にもつながると期待し、その現象の検証やメカニズムを解明するための基礎研究を重ねている。

モノをいい方向に変える進化工学に応用

では、その応用可能な“画期的な技術”とは?鈴木准教授に簡単に説明していただいた。

「進化工学という分野です。進化工学とは、モノをいい方向に変える工学のこと。例えば、酵素触媒。触媒は化学反応を速くする働きがあるもの。その中で酵素は天然の触媒ともいわれ、食品や医薬品などにもたくさん応用されています。ただ弱点は熱で壊れてしまうこと。もしジオバチラスの高度な適応能力で酵素を熱に強く変えることができれば、化成品や電子センサー類など、幅広い業界で使える酵素が増やせるだろう、というアイデアです」と鈴木准教授。ジオバチラスの研究を始めて10年。この菌の生物学的要素を研究しようとする人は世界的にもあまりいなく、「研究としてはとてもニッチなところ」と笑う。「大事なことは、独創的であること。誰かの真似や追随ではなく、自分の命題を見つけて、それを追求することが、研究でも、ほかのことでも大切なこと」と、学生たちにメッセージを送る。

※令和元年度鳥取大学案内に『スーパーティーチャー』として掲載